2024/10/05
植毛
生着すれば以降は普通の髪と同じように生えてくるのが、自毛植毛の魅力です。
しかし、副作用のひとつとして「ショックロス」というものがあります。
気にされている方も多いと思いますので、今回は「ショックロス」の症状や原因について紹介していきます。
自毛植毛を行ったあとに知ると不安を抱かれる方もいらっしゃいますので、事前に正しい知識を覚えておくことをおすすめします。
薄毛の治療の一つに、自分の毛髪の細胞組織を移植する自毛植毛という外科手術があります。
一度自毛植毛の手術を受けると、自分の髪の毛として生え続ける効果が期待できます。
しかし、自毛植毛を行うと移植した髪の毛以外の髪の毛が抜けることがあり、これを「ショックロス」と呼びます。
ショックロスの発生が不確かなのと同様に、程度も個人差があります。
自毛植毛を終えてから増えるはずのヘアボリュームが減ってしまったような気がするという方も、ショックロスの症状が現れている可能性があります。
影響を受けやすいのは弱っている髪の毛で、太く元気だった髪は影響を受けにくいという特徴があります。
ショックロスは自毛植毛の手術を受けた大部分の方に起こるといわれています。
ショックロスは一時的なもので、一定期間経過するとまた生えてくるのが特徴です。
自毛植毛を受けるときにもう一つ知っておきたいのが「株の脱落」です。
株の脱落とは自毛植毛後、移植した髪の毛自体が生着せずに抜け落ちてしまう現象です。
ショックロスと脱落はどちらも自毛植毛後の抜け毛ですが、それぞれ特徴があります。
ショックロスはまた生えてくるのに対し、脱落は一度抜けると生えてこないといわれています。
また、ショックロスは移植した髪の周りの毛が抜けますが、株の脱落では移植した髪が抜けてしまいます。
しかし、株の脱落が起きるのは髪全体の約5%と、可能性は少ないと考えられています。
脱落とショックロスの見分け方や防止する方法を知り、自毛植毛後に抜け毛が起きても焦らず対処してください。
生着せずに抜け落ちる脱落と、一時的な抜け毛であるショックロスを見分けるには、「抜け落ちる時期」と「血が付いているか」に着目します。
自毛植毛の術後24時間以内に抜け落ちたり、抜け落ちた毛に血が付いたりしている場合は、脱落の可能性があります。
自毛植毛の術後から数日経っていて、抜け落ちた毛に血が付いていない場合はショックロスであると考えられます。
脱落を防止するには、自毛植毛後に頭皮になるべく負担をかけないことが大切です。
植毛後1週間は以下のような点に注意して過ごしてください。
頭皮を必要以上に触らないように注意が必要ですが、頭皮を清潔に保つことも大切です。
シャンプーをするときにゴシゴシと擦っては頭皮の負担になってしまいます。
植毛後にシャンプーするときは刺激の少ないシャンプーを使用し、泡でやさしく洗い清潔を保ちます。
植毛後にショックロスが起こるのは、医学的に正確な原因がまだ解明されていません。
植毛するときの麻酔の影響や、頭皮の炎症が原因ではないかといわれています。
麻酔や頭皮の炎症で発毛サイクルが乱れてしまうためです。
ショックロスで抜け毛が起こるのは植毛を行った部分だけで、抜け毛が起きても一定期間経つとまた生えてきます。
そのため必要以上にストレスを感じたり心配しすぎたりしないことも大切です。
植毛のショックロスは、植毛を行った大体の方に起こります。
植毛以前より薄くなることはあまりないといわれています。
しかしショックロスの発生率について明確な論文はみられず、どんな人にショックロスが起こりやすいかはあまり分かっていません。
植毛を行うと、程度に差はあるものの多かれ少なかれ抜け毛がみられる、という見解を持つ医師もいるようです。
女性は男性より髪の毛が細い方が多いため、ショックロスは女性に多い傾向が見られます。
ショックロスはほとんどの場合見た目に影響するほどの抜け毛ではないといわれています。
女性に多いと言われると心配される方もいるかもしれませんが、あまり気にしすぎないでください。
植毛のショックロスが起こると言われている時期は、手術してから2週間〜2・3か月くらいです。
しかし、中には手術から約2週間後に起こることもあり、ショックロスが起こる時期は人によって違います。
複数回自毛植毛を行った方でも、手術する度にショックロスの時期は異なるといわれています。
ショックロスという言葉を聞くと「もう生えてこないのでは?」と心配される方がいるかもしれません。
ショックロスは、一度は植毛した周辺の毛が抜け落ちますが、一定期間経てばまた生えてきます。
時期には個人差がありますが、2週間〜2・3か月程度でショックロスが起き、回復期は約4ヶ月〜半年といわれています。
すぐに元通りとはいきませんが、徐々にショックロスで抜け落ちた毛も生えそろうことが想定されます。
植毛後に抜け毛が起き、1年経っても毛量が元に戻らない場合、脱落の可能性があります。
脱落は植毛した髪の毛自体が生着できないため、また生えてくることはありません。
脱落が起きるときの特徴には「手術後24時間以内に抜け毛が起きる」「抜け毛に血が付いている」などが上げられます。
植毛後に抜け毛が起きた場合は注意して見るようにします。
植毛のショックロスの範囲は、自毛植毛を行った周りに起きやすいといわれています。
ショックロスは麻酔が原因の一つとも考えられているので、麻酔を打った周辺も注意が必要です。
また、頭頂部にショックロスが多いといわれています。
頭頂部に多い理由は、細い毛が多いためです。
逆にショックロスが起きにくい範囲は、植毛を行っていない部分や側頭部の髪です。
ショックロスが起こる抜け毛の量は、もともと生えていた髪の約10〜15%といわれています。
植毛を行った周辺の髪が全部抜けるわけではありません。
また、10%前後の抜け毛であれば、見た目にそれほど影響しないといわれています。
抜け毛を気にするあまりストレスにならないよう、心配しすぎないのも大切です。
植毛のショックロスは一定期間が経つと生えてきます。
しかし、予防する方法を試すことでショックロスの程度を軽くしたり、抑えたりすることもできると考えられています。
ショックロスが気になる方は、予防方法をチェックして試してください。
植毛を複数回に分けて行うと、ショックロスのリスクを減らせると考えられています。
植毛を複数回行うには、2回目以降の植毛を6ヶ月以上空けるのが望ましいです。
6ヶ月以上空ける理由は、間隔を空けることで頭皮の環境が整うためです。
ショックロスが気になる方は、医師に経過を観察してもらい2回目以降の植毛を受けて良いか確認してください。
AGAが原因で薄毛が起きている場合は、内服薬でショックロスのリスクを軽減できるといわれています。
薬を服用することによって、AGAの原因の一つである男性ホルモンDHTの生成を抑える効果が期待できます。
内服薬には男性機能低下など副作用のリスクもあるので、服用を希望される方は医師にご相談ください。
毛髪はケラチンというタンパク質からできており、髪の成長にはビタミンやミネラルなどの栄養素が必要です。
健康な髪を育てるには整った栄養バランスが大切なため、不足していると感じる栄養素がある方はサプリメントを上手に活用してください。
しかし、サプリメントに直接髪を生やす効果はあまり期待できないため、ショックロスが気になる方は医師にご相談いただくことをおすすめします。
植毛してショックロスが起きてしまった場合の対処法をご紹介します。
いろいろな対処の方法があるので自分に合った方法を試してみてください。
ショックロスで薄毛が気になる場合、手軽にケラチンパウダーを使用する方法があります。
ケラチンパウダーは繊維でできた人工毛の粉で、薄毛が気になる部分に使うと一時的にボリュームアップして見せられます。
数種類の色が売られているので、自分の髪色に合ったものを選んでみてください。
敏感肌の方や炎症が起きているとかぶれる可能性があるので、植毛後は炎症が治まってから使用してください。
植毛後のショックロスは一時的なものなので、生えてくるまでの間、帽子やかつらで隠す方法もあります。
暑い時期には蒸れやすくなってしまうので、シャンプーを丁寧に行うなど頭皮を清潔に保つよう心がけてください。
ショックロスで薄毛が気になる時はヘアスタイルを工夫してください。
整髪料を付けて撫でるとかえって薄毛が目立ってしまう場合があります。
整髪料を使わずにふんわりと仕上げるとボリュームアップして見えるのでおすすめです。
頭皮の血行不良が薄毛やショックロスに繋がる場合があります。
ショックロスが気になる場合、外用薬を使用する方法があります。
外用薬を頭皮に塗布することで血行が良くなり、髪が成長するのに必要な栄養が運ばれやすくなります。
外用薬を希望される方は、医師にご相談ください。
「ショックロスと脱落の見分けが付かない」、「自分に合う対処法が分からない」という悩みは一人ではなかなか解決しない場合もあります。
薄毛やショックロスについて不安のある方は医師にご相談ください。
医師は多くのショックロスに悩む患者を見ているので、患者様に合った解決策をご提案させていただきます。
必要であれば内服薬や外用薬を処方される場合もあります。
ここでは、植毛のショックロスについてよくある質問とその回答を紹介します。
ショックロスが始まる時期によっても違うので個人差があります。
だいたいショックロスは3ヶ月〜4ヶ月程度続く方が多いですが、抜け毛が始まった時期が遅いと半年より長く続くこともあります。
ショックロスの程度は人によって違いがあります。
抜け毛が起きても見た目の変化が分からない方もいますし、自分でもほとんど気付かない程度の抜け毛の方もいるので心配しすぎないようにしてください。
ショックロスは一時的なものであり、一定期間を過ぎると生えてくるとされています。
内服や外用薬、帽子、髪型の工夫などいろいろな対処法があります。
気にしすぎないようにし、予防方法や対処法を試してみてください。
本記事では、自毛植毛の手術後に起こり得るショックロスについて解説しました。
ショックロスに関する要点は以下の通りです。
自毛植毛を考えている方の参考になりましたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。