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患者様の健康を第一に考えた、施術を受けるまでのシステム

  • CREATE: 2019/05/15
  • UPDATE: 2023/07/22
對馬先生

重要なのは患者様の理想を叶えること。 しかし、安全はもっと大事。

施術のリスクがある場合に、どう判断するのか

施術の希望をお断りする例があると伺いましたが、どのような場合ですか

對馬医師)私たちは不適応と呼んでいるのですが、施術のリスクが高い方です。多いのは、高血圧の方、低血圧の方、糖尿病の治療中の方、過去に臓器移植をしている方などです。

例えば血圧のコントロールが悪くなると、施術中の思わぬ合併症のリスクも高くなるので、慎重な対応が必要です。現在治療中なのか、どのような薬を服用しているのか、など、見た目の数値だけでなく患者様とも会話をすることで、適切な判断ができるよう心がけています。

糖尿病の治療をしている方は、動脈硬化疾患を持っている方も多いですし、血糖値が高いと免疫力が下がるので感染症が起きやすくなり、また傷の治りも遅くなります。臓器移植をされている方も、免疫抑制剤の影響で免疫力が下がっているので同様です。

いずれも、必ずしも不適応というわけではありません。どこにも悪いところがない健康体という方ばかりではありませんから、リスクの程度を精査して判断します。植毛を希望する患者様すべてにお応えしたいとは思っていますが、リスクが高い症状の場合には、”植毛よりもまずは持病の治療を”とお話させて頂きます。患者様の安全には換えられませんからね。

 

主治医の判断を仰ぐというやり方ではないのですね

對馬医師)持病があり治療中の患者様が、主治医の先生に「植毛の手術を受けていいですか」と聞かれても、回答が難しいと思います。何か問題が起きた時の責任が不明瞭になるからです。「大丈夫だと思いますが、慎重にやってください」という返事をもらってくる患者様もいらっしゃるのですが、主治医の方が大丈夫と言ったから大丈夫という問題でもありませんよね。

最終的に植毛の可否の判断は、当院の執刀医が行います。必要があれば薬剤師に薬の飲み合わせを問い合わせたり、過去の症例を調べたりして、安全を第一に一人ひとりの患者様の状態を検討して決めています。

一人の執刀医だけではなく、頭脳を集めて判断する仕組みも

責任は重いですね

對馬医師)それもあって、当クリニックでは「医療安全委員会」を運営しています。これは、リスクのある患者様に対して施術の可否をより慎重に判断するための組織です。

新宿院、大阪院、名古屋院、福岡院をまたいで、執刀医以外の三名の医師が担当します。各院から、「こういう患者様の施術について検討してほしい」という連絡を医務管理部が受けると、医療安全委員長のほか、二名の医師がランダムで選ばれます。合議ではなく、三名それぞれに見解を述べるというスタイルで回答を出しています。

執刀医本人が要請を出すこともありますし、カルテを見たり直接話を聞いたりして看護師やアドバイザーが連絡をくれることもあります。基本的には執刀医が責任をもって判断しますが、少しでも疑問や不安に思うスタッフがいるなら、医師の判断だけでなくどのスタッフでも確認をすることができます。

常に慎重な対応、判断を心がけてはいますが、万が一が起きないようあらかじめ仕組みを作っておくということです。

 

どれくらいの頻度で運用されているのですか

對馬医師)直近の一年間では、6件が医療安全委員会で判断されました。そのうち、実際に不適応としたものは0件でした。

これでは機能していないように見えるかもしれませんが、リスクの高い症例の場合はそもそも執刀医の段階で不適応と判断することもあります。医療安全委員会で審議するまでもない不適応は、一定数あるのです。

また、YESかNOかだけではなく「ここに気をつけて施術してください」「慎重にやりましょう」という意見を付けて回答するので、適応となっても益があると思います。植毛は元々が体への負担が大きい手術ではありませんが、医療の現場では万が一があってはいけません。正しく判断をする仕組みを用意することは、とても意義があるものだと考えています。

 

 

慎重すぎてよいというスタンス

不適応となってしまった患者様は、がっかりされるのでは……

對馬医師)そうですね。せっかく希望を持ってお越しいただいたのに、と心苦しいことは度々あります。私たちは患者様のご希望を叶えるのが使命です。でも、患者様の安全には換えられません。

怪我をして手術するとか、虫歯になって歯を抜かなければいけないという場合には、リスクがあるからやめておきましょうというわけにはいきません。しかし、植毛は外見を変える、整容を目的とした施術です。例えば、免疫抑制剤を飲んでいるからと言って必ずしも感染が起こるわけではありませんが、もし全身に感染症状が広がってしまったら後悔が残るはずです。命に関わらない施術の場合は、バランスで考えるということですね。

僕の知っている限り、自由診療の業界ではここまで慎重に施術の可否を考えるクリニックはあまりありません。血液検査なしで施術したり、初診当日に施術するクリニックもけっこうあります。当院では、必ず健康状態のチェックをし、血液検査を受けていただきます。また、カウンセリングから数日開けて施術への準備を進めます。

当院は15年間、2万5,000件を超える症例の中で、いわゆる「見込みが甘かったために起きた事故」はゼロなんです。それは、常に安全に配慮してきた結果だという自負があります。この記録はこれからも続けていかなければなりませんし、患者様の体を守るために必要なことだと思っています。

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