2024/10/05
植毛
髪の毛は私たちの外見に大きな影響を与え、自信や自己表現の一部となっています。
しかし、様々な原因により毛髪が薄くなったり、失われたりすると、それは大きなストレスや自信喪失につながります。
このような脱毛の一つが瘢痕脱毛で、瘢痕組織の成長により毛髪が生えなくなる現象です。
しかし、自毛植毛により、瘢痕脱毛に対する有効な解決策が提供されています。
本記事では、自毛植毛による瘢痕脱毛治療について、以下の点を中心にご紹介します。
記事の後半では、瘢痕性脱毛症に関するよくある質問にも答えています。
ぜひ最後までご覧ください。
瘢痕は、傷跡のことをいいます。
切り傷やすり傷、やけど、ニキビや手術の傷跡など、瘢痕ができる原因は様々です。
それらが改善した後でも、傷跡が残ることがあり、傷跡が深ければ深いほど、目立つ瘢痕になります。
瘢痕は、形態や症状によって、下記の4つに分類されます。
成熟瘢痕は、傷が改善していく経過で残った傷跡のことです。
赤かった傷が、時間の経過と共に落ち着き、元の肌の色に近づきます。
基本的には治療の必要はありませんが、見た目が気になる場合は、手術を行います。
肥厚性瘢痕は炎症がしばらく続き、赤くみみずばれのようになった傷跡のことです。
深い傷や、肘や膝などの傷が肥厚性瘢痕になりやすいとされ、症状としては、かゆみや痛みがあります。
ステロイドテープ療法などで治療します。
ケロイドは、肥厚性瘢痕に似た見た目ですが「ケロイド体質」の方は、真皮表面の少しの傷でも発症する可能性があります。
痛みやかゆみなどの症状は、肥厚性瘢痕よりも強いといわれています。
瘢痕拘縮は、肥厚性瘢痕やケロイドを治療しなかった場合、少しずつ線維がたまって硬くなり、関節などで引きつれを起こすことです。
一度硬くなると、柔らかくなるまで時間を要するので、機能改善の目的で手術を行うこともあります。
出典:瘢痕(傷跡)|日本形成外科学会
出典:瘢痕(はんこん)について|湘南藤沢徳洲会病院
ここでは瘢痕性脱毛症について、その種類と原因を詳しく解説します。
参考にしてください。
瘢痕の原因を特定するのが難しい場合、原発性瘢痕性脱毛症と診断されます。
具体的には、以下の場合です。
これらの疾患が毛包を直接的に破壊するものとされています。
頭皮の状態を改善するため、塗り薬や注射などの治療を行います。
瘢痕が広がってしまうのを防ぐため、早めに皮膚科などを受診するのがおすすめです。
けがや火傷、手術の傷跡が原因となるのが、続発性瘢痕性脱毛症です。
がんや感染症などによって発症することもあります。
原発性瘢痕性脱毛症とは違い、瘢痕の原因が分かるので、それぞれの原因に応じた傷跡の治療ができます。
ただ、線維化した皮膚を修復することは困難です。
従って、脱毛した箇所から毛髪が回復することはありません。
下記では、瘢痕性脱毛症と円形脱毛症やAGA、またそれぞれ異なる点について解説します。
参考にしてください。
頭部に円形、まだら状の脱毛斑ができる脱毛症を円形脱毛症といいます。
円形脱毛症は、眉毛や体毛といった箇所にも発症し、重症化すると頭部全体に及ぶこともあります。
円形脱毛症の主な原因は、完全には解明されていません。
これまで、主な原因は心的ストレスだとされていましたが、近年は以下も円形脱毛症の原因になると考えられています。
円形脱毛症とAGAは、発症の原因や脱毛の状態に違いがあります。
AGAは、男性ホルモンが主要因とされており、発症するのは思春期以降の成人男性です。
歳を重ねると発症率が上がるとされています。
一方、円形脱毛症は自己免疫疾患などが原因とされています。
男性だけでなく、若い女性や子どもも発症します。
また、円形脱毛症は、髪の毛が急に抜け落ち、頭皮が露出するのが特徴です。
AGAの場合、頭髪が生え変わる周期によって抜け毛が発生し、髪の毛が軟毛化しながら少しずつ抜けていきます。
瘢痕性脱毛症と円形脱毛症の大きな違いは、自然に軽快するかどうかです。
瘢痕性脱毛症は、けがや火傷、手術の傷跡などが原因で発症するものです。
自然に軽快しないため、治療が必要です。
一方、円形脱毛症は、局所免疫療法やステロイドの局所注射などの治療法がありますが、自然軽快する可能性もあります。
瘢痕性脱毛症には、自毛植毛がおすすめです。
瘢痕性脱毛症は、頭皮の毛包が壊されてしまうので、髪の毛が自然に生えてくることはなく、円形脱毛症のように自然軽快も期待できません。
小さい瘢痕であれば、縫合手術によって傷を目立たなくさせることが可能です。
髪の毛が生えていない部分を減らせるので、脱毛の悩みは軽減するかもしれません。
しかし、傷跡の大きさによっては、縫合手術で瘢痕部分を小さくすることは難しいとされています。
従って、瘢痕性脱毛症には自毛植毛をおすすめします。
自身の髪の毛を移植する自毛植毛なら、瘢痕性脱毛症の方も、毛髪を取り戻せます。
移植した髪の毛は、そこに定着して生え続けるので、基本的にはメンテナンスも必要なく、自毛を移植するので、見た目がナチュラルなのもメリットです。
ただ、瘢痕に移植した髪の毛は、通常の皮膚に移植した場合より、その定着率が低いとされています。
下記では、自毛植毛による瘢痕治療について、よくある質問をまとめています。
ぜひ、参考にしてください。
瘢痕性脱毛症の原因は、怪我や火傷、手術の傷跡など、様々です。
怪我や火傷、がんや感染症などによって引き起こされるものは、続発性瘢痕性脱毛症です。
一方、原因の特定が難しい場合、原発性瘢痕性脱毛症と診断されます。
瘢痕性脱毛症は、続発性瘢痕性脱毛症でも、原発性瘢痕性脱毛症でも、自然と改善し、自分の毛が生えてくることはありません。
従って、瘢痕部が広がらないように治療を行う必要があります。
原因となる疾患に応じて、ステロイドの局所注射や抗菌薬の内服などを行います。
また、瘢痕部分が小さい場合は、その箇所を縫い縮める治療法もあります。
瘢痕脱毛には、自毛植毛がおすすめです。
その理由は、綺麗な仕上がりにできるからです。
怪我や火傷などによる傷跡からは、毛が生えてくることは期待できません。
そのため、元気な自分の毛が生えている後頭部から毛包を採取して、傷跡部分に移植する自毛植毛が良いとされています。
他の方法としては、傷跡を一度切開して縫合する方法もあります。
しかし、自毛植毛のほうが仕上がりがナチュラルで、毛包ごと移植するので、半永久的に毛が生え変わるのが大きなメリットです。
ただ、傷跡への移植は定着率が低い傾向にあります。
従って、まず少量の植毛をして定着率を確認し、その後、本格的な植毛をするかどうか決める場合もあります。
瘢痕性脱毛症は治療せずに放っておくと、範囲が広がる可能性がある、とされています。
従って早期に発見し、治療を始めることが大切です。
ただ、瘢痕性脱毛症は初期の場合、円形脱毛症と間違われやすいのが特徴です。
円形脱毛症であれば、自然に軽快する可能性もありますが、瘢痕性脱毛症は脱毛部位に自毛が生えてくることは期待できません。
円形脱毛症と判断し、治療を先延ばしにしてしまうと、脱毛範囲が広がる可能性があります。
瘢痕性脱毛症は、皮膚が瘢痕化することにより、毛包が壊されてしまいます。
頭髪の成長や再生に必要な細胞が破壊されてしまうため、結果的に自毛が生えてこなくなるのです。
瘢痕性脱毛症の原因となる疾患は複数あり、診断や治療が難しい場合もあります。
瘢痕性脱毛症が疑われる場合は、早めにクリニックを受診するのがおすすめです。
ここまで自毛植毛による瘢痕治療についてお伝えしてきました。
自毛植毛による瘢痕治療の要点をまとめると以下の通りです。
これらの情報が、少しでもお役に立てば幸いです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。