タバコとアルコールが薄毛に与える影響について

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薄毛に悩む方の多くが、頭皮環境には気を使っていらっしゃることと思います。
頭皮環境を改善するシャンプーを選び、育毛剤を用法に従って使用する、
それでも薄毛が進行するという方がほとんどではないでしょうか。
そうした場合に考えられる要因は多数ありますが、生活習慣もその一つです。

遺伝的な素因による薄毛は専門機関で治療を行わなければ改善は望めないでしょう。
しかし、生活習慣による薄毛ならば改善の余地があります。

薄毛を招くと言う生活習慣の代表が「アルコール」と「タバコ」です。
この2つがどのように薄毛に影響するのか見てみましょう。


■アルコールと薄毛の関連性

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アルコールは体内に入った時、肝臓でいったんアセトアルデヒドという成分に変換されます。
飲酒量が適正の範囲であれば、さらに酢酸に還元されて無毒化されるのですが、
飲酒量が大量であった時や、肝臓の分解機能を超えてしまった時には
アセトアルデヒドが分解されずに血中に溶け込むことになります。
アセトアルデヒドは男性ホルモン「テストステロン」のジヒドロテストステロンへの
還元を促進する効果があり、毛根に5αリダクターゼ受容体を持つ体質の方の場合、
高い確率で薄毛を発症させ、進行を促すでしょう。

飲酒は1日にグラス1杯、あるいは350ml缶1本までが理想です。
どうしてももっと飲みたいという欲求を押さえられない場合は、
隔日で休肝日を設けることをおすすめします。


■タバコと薄毛の関係性

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喫煙によって、ニコチンが肺から血液へと入り込んでいきます。

ニコチンは自律神経に作用してニコチン性受容体を刺激し、
交感神経を興奮させてしまうのです。交感神経の過剰かつ強制的な興奮は
血管の収縮をもたらし、末端の毛細血管では血流が不十分な状態に陥ってしまうでしょう。
血液の供給量が不足すれば各組織の活動性能も落ちますので、薄毛が進行するのも当然の流れです。

飲酒の場合は、飲酒量を調整したり、休肝日を設けたりという対策で完全に
断たなくても薄毛への影響力を薄めることが出来ます。

しかし喫煙の場合は習慣性があり、また、喫煙の頻度を減らしたところで
影響から逃れられるものではありません。
タバコを愛好しつつの薄毛治療では、治療による育毛、発毛効果に並行して
毛髪の成長を阻害することになり、例え治療で一定の効果があったとしても
相殺されてしまう可能性もあるのです。
例として当クリニックでも植毛後1〜2週間は、生着率を上げるため喫煙を控えて
もらうようにしています。

タバコを取るか、薄毛への懸念点を払拭するかは選択せざるを得ないでしょう。