
2025/06/26
薄毛の悩みを解決するために自毛植毛を検討している方にとって、「本当に一生ものなのか?」という疑問は切実です。実際、植毛した髪は、生着すれば通常のヘアサイクルを維持し、長期間にわたって生え続けます。しかし、10年後もその状態をキープできるかどうかは、植毛後のケアや自身の髪質、薄毛の進行具合によって変わります。
本記事では、植毛した髪の寿命について、ヘアサイクルの基本から、長く維持するためのポイントまで詳しく解説します。
髪の毛には一定の寿命があり、一般的に2〜6年ほどで生え変わると言われています。この寿命は、個々の髪が持つ「毛周期(ヘアサイクル)」によって決まります。
毛周期とは、髪が生え、成長し、やがて抜け落ち、再び新しい髪が生えてくる一連のサイクルのことです。このヘアサイクルは、個人差があります。サイクルが正常に機能している場合、髪は一定のボリュームを保ちながら生え変わります。
<毛周期には3つの段階があります。>
成長期(2〜6年):髪が太く長く成長する時期
退行期(2〜3週間):成長が止まり、毛根が縮小する時期
休止期(3〜4カ月):髪が抜け落ち、新たな髪が生え始める準備をする時期
何らかの要因でヘアサイクルが乱れると、成長期が短縮され、髪が十分に育つ前に抜け落ちてしまいます。その結果、短く細い髪が増え、地肌が透けて見える薄毛の状態になります。
AGA(男性型脱毛症)は、ヘアサイクルを短縮させる代表的な要因です。AGAが進行すると、前髪の生え際が後退したり、頭頂部が薄くなったりします。AGAは進行性のため、放置すると薄毛が広がっていく可能性が高いです。「髪のボリュームが減ってきた」「地肌が透けて見えるようになった」と感じたら、できるだけ早めにクリニックを受診し、適切な治療を検討しましょう。
自毛植毛を行うと、「植えた髪がまた抜けてしまうのでは?」と不安に思うかもしれません。しかし、自毛植毛した髪の寿命は他の髪と変わりません。一度生着すれば通常のヘアサイクルを維持します。自毛植毛では、後頭部や側頭部の健康な毛根を採取し、薄毛部分に移植します。これらの部位の髪は、AGA(男性型脱毛症)の影響を受けにくい性質を持っているため、一度移植されるとその特性を維持し、通常のヘアサイクルに従って生え変わります。つまり、移植した髪も通常の髪と同じように2〜6年のサイクルで成長し、抜けても再び生えてきます。
自毛植毛を受けた髪は、基本的に10年後も生え続けます。 ただし、植毛していない既存の髪は、AGAの影響を受ける可能性があります。 そのため、薄毛の進行によっては、追加の治療や再度の植毛が必要になることもあります。自毛植毛は長期的な効果が期待できますが、その状態を維持するには、治療後の適切なケアが欠かせません。 10年後も自然な毛量を保つためには、植毛した部分だけでなく、既存の髪のケアにも気を配ることが大切です。
植毛後、数週間から数カ月の間に「ショックロス」と呼ばれる一時的な脱毛が起こることがあります。これは、移植時の外的刺激によって髪が一時的に抜け落ちる現象で、新しい毛が生え変わる準備をしている証拠です。ショックロスは一時的なものであり、移植した毛根自体は生きているため、数カ月後には再び健康な髪が生えてきます。
植毛しても、ケアを怠ると薄毛の進行を防ぎきれないこともあります。しかし、適切なケアを続けることでより長く健康な状態を維持できます。
髪を長く維持するには、移植した毛根がしっかり生着することが最優先です。生着率を高めるには良質な移植株の選別をし、傷つけずに素早く採取・移植出来る技術力が求められます。実績のある医師やクリニックを選び、無理なく移植することが大切です。
植毛後の頭皮はデリケートな状態なので、適切なケアを行うことで、髪の生着率が向上し、長期的な寿命も延びます。
移植した髪は、AGA(男性型脱毛症)の主な原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の影響を受けにくい性質を持つ毛髪を使用しています。そのため、AGAによる脱毛のリスクは低くなりますが、この髪も通常の毛周期(ヘアサイクル)を持っています。
生活習慣の乱れやストレスが蓄積すると、毛周期が乱れ、髪の寿命が短くなる可能性があります。 これにより、髪が細くなったり、薄毛が進行することも考えられます。そのため、しっかりとした食生活を心掛け、生活習慣や睡眠の見直しをして、ストレスのない生活を過ごしていただくことが髪を長く維持する上で非常に重要となります。
自毛植毛をした後でも、AGAの治療薬を併用することが推奨される場合があります。その理由は、植毛によって移植された髪はAGAの影響を受けにくいものの、周囲の既存の髪は引き続きAGAの影響を受ける可能性があるからです。
自毛植毛は薄毛の進行した部分に健康な毛根を移植する治療法ですが、AGAの進行を止める治療ではありません。 そのため、植毛した部分はしっかり生え続けても、周囲の髪がAGAの影響で薄くなれば、結果的に全体のバランスが崩れる可能性があります。植毛後の髪のボリュームを維持し、自然な見た目を長期間保つためには、医師と相談しながらAGA治療薬を服用するのが効果的です。
AGA治療薬の服用には、副作用のリスクや体質的な相性もあるため、服用を続けるかどうかは医師と十分に相談し、自分の体調や希望に合わせて判断することが大切です。フィナステリドやデュタステリドは、性機能の低下や肝機能への影響が報告されることがあります。
また、AGA治療薬はすべての人に効果があるわけではなく、体質によって効果の出方に違いがあります。さらに、AGA治療薬は、継続して服用し続けることで効果を発揮するものです。服用を中止するとAGAの進行が再び始まり、元の状態に戻る可能性があります。
自毛植毛は、手術後約1週間で毛髪が生着し、その後の経過としておよそ5ヶ月後に発毛を実感できるようになります。さらに、1年ほど経つと髪が十分な長さに成長し、自然な仕上がりになります。
自毛植毛をしても、薄毛の進行を完全に止めることはできません。 移植した髪はAGAの影響を受けにくいため生え続けますが、植毛していない既存の髪はAGAの影響を受ける可能性があり、将来的に薄毛が進行することがあります。また、植毛部分の髪は維持できても、周囲の髪が薄くなることで不自然な見た目になるリスクも考えられます。