薬剤性脱毛症
薬剤性脱毛症とは、その名の通り薬剤が原因となって発症する脱毛症のことを指します。そしてこの薬剤性脱毛症は大きく成長期脱毛と休止期脱毛の二つに分けられます。薬剤性脱毛症の成長期脱毛の代表的なものは、抗がん剤の副作用によるものがあげられます。これは、成長期の毛髪に影響を与え、脱毛を引き起こします。
抗がん剤には、細胞分裂を抑制するものがあります。そのため、この抗がん剤は、ガン細胞の分裂を抑制するだけでなく、毛母細胞の分裂も抑制してしまいます。頭部の中で最も多い成長期毛にこのような影響を与える抗がん剤を服用すると、当然髪は抜け落ち、大きく脱毛してしまいます。このことを成長期脱毛と呼びます。これに対し、休止期毛に影響を与え、脱毛を引き起こすことを休止期脱毛と呼びます。休止期脱毛は様々な薬によって引き起こされる可能性があります。通常、休止期状態の毛髪は全体の1割程度ですが、なんらかの薬剤の影響を受けて、成長期の期間が短くなり、休止期の毛髪が増えてしまうことがあります。結果として、毛髪が生え変わる段階で抜け毛が目立つようになってしまいます。これが、休止期脱毛です。両者を含む薬剤性脱毛は、薬剤の投与を中止すると、それに従って脱毛もおさまってくるという特徴を持っています。