アポトーシス
アポトーシスとは、生物学的には細胞の死に方の一種であり、個体をより良い状態に保つために引き起こされる積極的な死のことを指します。本来余分な細胞を排除するために行われるアポトーシスが、なんらかのホルモントラブルによって、必要な毛母細胞で行われてしまうと、毛髪が抜け落ち、薄毛へとつながります。
AGAの原因は、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンが5αリダクターゼという還元酵素によってジヒドロテストステロンというホルモンに変換され、脱毛を誘発することだと言われています。このジヒドロテストステロンは、毛乳頭細胞にある受容体(レセプター)と結びつくことによって、TGF-βとよばれる物質を生成します。TGF-βはヘアサイクルを乱したり、カスパーゼと呼ばれる自殺酵素を活性化することで、毛母細胞においてアポトーシスを引き起こすとされています。よって、AGAの治療で重要とされることは、5αリダクターゼを抑制し、ジヒドロテストステロンの生成を阻害すること、及びTGF-βの受容体の結合を阻止することを目的としています。