AGAの実態とは?
原因、症状から推奨される対策までわかりやすく解説。
日本国内で薄毛の悩みを抱える成人男性の数は約1,260万人*とされています。ここでは、薄毛に悩む方のために薄毛の主な原因であるAGAについて詳しく説明していきたいと思います。
また、最後に日本皮膚学会が発表している男性型脱毛症診療ガイドラインが推奨する薄毛の治療法についてもご紹介いたします。
*参照元:日本醫事新報 2004; No. 4209 : 27-29
AGA (エージーエー)はAndrogenetic Alopeciaの略称で、日本語で「男性型脱毛症」のことを言います。
AGAは直訳すると「男性ホルモン型脱毛症」と言われますが、その名の通り男性ホルモンの影響などが関わって引き起こる脱毛症です。
成人男性によく見られる症状で、髪の毛がだんだんと細くなり、抜け落ちて最終的には脱毛してしまいます。その結果、徐々に生え際が後退したり、頭頂部が円形に広がっていったりします。
また、AGAは進行型の脱毛症というのも注意すべき点です。
一度発症すると現代の医学で完治するという科学的根拠はありません。そのため、発症してしまった場合は、進行速度を極力抑えるために、有効とされる薄毛対策をするなどして早めにケアを始めることが大切です。
AGA(エージーエー)になってしまう原因は、主に男性ホルモンの影響と考えられていますが、中でも体格や体毛などを男らしくするための役割を果たす男性ホルモン「テストステロン」の影響が原因であるとされています。
テストステロンは体内で分泌され、血液を介して全身を巡っています。その一部が毛乳頭細胞に取り込まれた際に、5α-リダクターゼ(5α-還元酵素)と呼ばれる変換酵素と結びつくことで、DHT(ジヒドロテストステロン)という、より強い作用を持つ男性ホルモンに変換されます。この DHTが乳頭細胞内のレセプター(受容体)に結びつくと、毛母細胞のアポトーシス(細胞の自然死)を促すシグナルが出されます。
このシグナルの発動が、毛周期を退行期へと誘導してしまうことで通常のヘアサイクルを乱し、成長期が短くなり、軟毛と呼ばれる柔らかく短い産毛のような髪の毛が増えていきます。最終的に、成長期は非常に短くなってしまい、毛球部が萎縮して消失してしまう事で髪の毛が生えなくなっていきます。
これが徐々に広がって進行していくのが、AGAが原因の場合の薄毛のメカニズムです。
AGA(エージーエー)の影響はありますが、必ずとは言えないです。AGAはDHT(ジヒドロテストステロン)が受容体と結びつくことで引き起こされることは説明しましたが、この受容体とDHTとの”結びつきやすさ”は、母親から遺伝するX染色体によって決まります。そのため、母親がこの”DHTと結びつきやすい”遺伝子を持っていると、その息子はAGAになりやすいということが言えるでしょう。
また、DHTは5α-リダクターゼ(5α-還元酵素)の働きによって通常の男性ホルモンから合成されますが、この5α-リダクターゼの活性(働きやすさ)は、父母どちらからも優性遺伝することがわかっています。つまり、遺伝は薄毛となるかどうかのひとつの要因となると言えるでしょう。但し、これらの遺伝子を持っているからといって、必ずAGAを発症するわけではありません。AGAを発症する原因の全てが解明されているわけではないのです。
AGA(エージーエー)には脱毛の進行パターンがあります。そのパターンは特徴的で、7段階に分けることができるとされています。例えば、生え際から進行する場合、頭頂部から進行する場合、両方が同時に進行する場合などがあります。
ドクター對馬 彰利
ここでは人それぞれ異なる進行パターンの中から段階ごとに進行度合いを測る基準として使用されている「ハミルトン・ノーウッド分類」について解説していきますので、順に見ていきましょう。
AGA(エージーエー)は一度発症すると現代の医学で完治するという医学的根拠は発表されていませんが、日本皮膚学会が平成22年4月に診療ガイドライン(指針)を作成し、医学的根拠に基づいて薄毛治療について5段階で評価しました。ここでは、男性型脱毛症診療ガイドラインが推奨する有効とされる治療を紹介していきたいと思います。
治療法 | 評価 | 使用について | 効果について |
---|---|---|---|
ミノキシジル外用 | A | 強く勧められる | 既存毛に対して育毛を促進 |
フィナステリド内服 | AGAの進行を遅らせる | ||
自毛植毛 | B | 勧められる | 無毛部位に自身の毛髪を移植する |
塩化カルプロニウム外用, t-フラバノン外用, アデノシン外用, サイトプリンペンタデカン外用, ケトコナゾール外用 | C1 | 考慮してもよいが、十分な根拠がない | |
セファランチン外用 | C2 | 根拠がないので勧められない | |
人工植毛 | D | 治療法として行わないように勧められる |
ミノキシジルは、毛細血管を拡張させる作用があり、血液循環を良くすることで既存の毛髪へ栄養が伝達されやすくなり、育毛を促進させます。
ミノキシジルには塗り薬タイプの外用薬の他にタブレット型の内服薬もありますが、内服薬はもともと高血圧を治療するための薬となります。直接体内に取り込むので血液循環作用は外用薬よりも高いとされていますが、循環器などに影響を及ぼすリスクがあるため、長期的な服用によって引き起こされる副作用のリスクの多さから、薄毛治療では外用薬のみが推奨されています。ミノキシジルは既存毛への育毛効果が見込めるとされていますが、AGAの進行抑制に直接作用するものではありません。
フィナステリドは、AGA治療薬によく含まれているAGAの進行を抑制するための有効成分になります。この成分は、男性ホルモンの働きを阻害する抗アンドロゲン薬の1つで、ヘアサイクルを乱し、AGAの原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を促す5α-リダクターゼの変換機能を阻害することで進行を食い止めます。
フィナステリドは服用し続けることでAGAの進行を抑制し続けることができるとされています。また、国内で販売されているフィナステリド内服薬は治療薬として認められているため、クリニックで診断を受けて処方してもらってからの購入となります。成分の作用、副作用についてもしっかりと理解した上で検討しましょう。
自毛植毛は、DHTの影響を受けにくい後頭部や側頭部から自毛を採取し、生えなくなったもしくは生やしたい箇所に移植する外科的治療です。そのため、広くなった生え際や薄くなった頭頂部に毛髪を移植してまた生えさせることができる唯一の治療法です。
また、自毛植毛はミノキシジル同様に、男性ホルモンの影響で起きるAGAに対してアプローチするものではありません。しかし、AGAの影響を受けにくい箇所から毛根ごと移植するシンプルな薄毛治療法となり、移植した毛根の性質はそのまま受け継がれるため、移植先で生着した髪の毛はAGAの影響を受けずに半永久的に生え続けるのが特徴です。
AGAについてご理解を深めていただくことはできましたでしょうか。当院で提供している薄毛治療は男性型脱毛症診療ガイドライン判定Bの「自毛植毛」です。
当院では、独自開発した「i-direct法」という技法で施術を行ない、1日の施術で患者様の理想とする髪型に近づけられるように、常日頃から技術・知識を磨いています。
世界標準を超えた圧倒的スピードで採取します。患者様のお体と採取した毛髪への負担を最小限に抑えるように技術を磨いています。
空気圧を利用したインプランターで生着率95%以上を実現しています。また、世界最小級、直径0.8mmと0.6mmの極細チューブパンチを用いるため、高精度で自然な仕上がりです。
毛流や密度を細部までコントロールできるためデザインの自由度が高いです。自然で見栄えの良い髪型を実現する技術・知見が結集した施術です。
当院では、患者様が満足していただけるような施術を提供するため、
如何なる時も技術向上を怠らず、一人一人の患者様と
日々真摯に向き合っています。