大学病院で救命ICUに携わっていたころは、私生活でも仕事が中心になっていました。夜勤も好きで救命は私の希望でもあったのですが、体力やプライベートを削られて、だんだん人に優しくする余裕がなくなっていくのを感じていました。看護師として、他の人が選ばないであろう道を開拓したいという思いもあり、見つけたのがこのクリニックです。
私は、患者様が「こうなりたい」という理想を助けるのが看護師の役割だと思っています。AGAは命に直結する病気ではないぶん、周りの理解や共感を得づらいことがあるでしょう。でも、クリニックに足を運んでくださる方は「こうなりたい」という思いが強い方ですよね。そういう人ほど力になりたいという気持ちになります。
アイランドタワークリニックに決めたのは、患者様に喜んでいただける場所だと思ったからです。もちろん自分の時間が持てる利点もありますが、患者様からの「ありがとう」という声を多く聞けるのが喜びです。
施術は全工程を外科医がするものと思う方が多いと思いますが、アイランドタワークリニックの看護師は、単なる介助者ではありません。グラフト(髪を生み出す組織片)の採取、インプラント(植え込み)はドクターとの二人三脚。工程に大きく関わります。
具体的に言うと、医師がパンチで組織を切り取り、それを看護師が採取します。インプラントの時にも、ドクターが開けた直径0.6mmの穴に、インプランターという機械でグラフトを植えていくのは看護師の役目です。
頭の右側は右手で植えて、左側は左手で植えます。両手を自由に使えないといけない。研修期間中には時間内にいくつ植えられるかを測るので、条件を達成しないと研修が終わりません。
頭は球体なので、左側は右手では入れられないんですよね。穴の向きは毛の流れに合わせて作られるので、思い通りの角度で入れられるようになるまでには訓練が必要です。
それだけに集中していてはいけないので、ライトを合わせたり、モニターで血圧をチェックしたり、器具を揃えたりしながら、患者様の様子にも気を配ります。
ここの看護師はみんな、本当に努力をしているし、高い技術を持っていると思います。
最初に植毛技術を知った時には、単純に「誰がこんなことを考えたんだろう?」と思いました。
髪の毛を採取して穴を開けて植えるなんて。知識として分かっていても、半信半疑ですよね(笑)
「本当なんだ、すごい」と実感したのは手術室へ入ってすぐ。髪の毛の採取に入ると、その髪には細胞が周りにあって、毛球がついていているので、生える理屈に納得しました。そして、実際に施術後の患者様を見たとき、毛が生えていることを実感!感激しました。
今、髪の毛で悩んでいる方は、疑問や不安を持っていますよね。安心してください。植毛を体験した患者様が、本当に髪が生えているところ、たくさん見てきました。どう変わるのか?を聞くだけでもいいので、気軽に足を運んでいただきたいです。手術する道を選んだり、違う道を探したりする、ひとつの参考になれればいいと思っています。